2020.04.16

真冬の岩手に謎の風習、来訪神スネカ

1月15日、岩手県大船渡市吉浜にて来訪神スネカが現れる。

彼らの起源は分かっておらず、詳細な記述をしている文書も見つかっていない。そのため、非常に謎めいた風習であることは間違いない。一説には、難破した漂流者や異邦人の漂着者説があり、東北や北陸沿岸部にもこれに似た風習が存在していることから見当違いの推測とも言い難い。

スネカの特徴

スネカという名前は、囲炉裏ばかりにいてスネに火形をつけている怠け者に、「スネの皮を剥ぐ」と脅したことが由来と言われている。

スネカの様相は、毛皮や藁を装い怖い面を付けて、俵を背負い、手には小刀、腰にはアワビの貝を下げている。

以前は旧暦で1月15日(新暦で2月15日)の夜に行われていたが、正月を新暦で祝うようになってからは1月15日の夜に出没するようになった。

「ナグワラスァ、イネェガ」や「カバネヤミア、イネェガ」などと言って民家に入り、帰る時は必ず後ずさりで、入り口の戸を閉めずに立ち去る。

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いざ現場へ

私は居ても立っても居られず、片道の電車切符だけ持って、すぐさま岩手へと向かった。

吉浜駅近くの会館にて、報道関係者と一般の見学者全員が一緒に説明を受ける。私のような外部の見学者は、指定された民家でしか撮影できない。

夜も更け気温もグンと下がり、小雨が降りしきる中、彼らは現れた。

現れると徐に民家の庭に入り、戸口の目の前に。勢いよく戸を開けると、騒ぎ立てながら居間まで入っていく。この迫力は実際に自分の目で見ないと分からない。

戒めが完了すると後ずさりで戸口まで戻り、そのまま外へと。

今は保存会主催のもと行事が取り仕切られているが、遥か昔は勿論全く違う。実際に訪れてみると分かるが、吉浜は山々に囲まれており、街灯が一切なく夜になると真っ暗闇になる。その中で、スネカが現れるとなると、想像を超える恐怖を襲う。私が幼い子供なら、すぐに泣き喚くだろう。

最後の最後まで

行事も終わり行きは歩いて登ってきた道を、保存会の方が車に乗せてくださり、物の数分で吉浜駅へ戻った。すると、藁が散乱している駅舎を地元の奥様方や子供達が掃除をしていた。話を聞くと、藁を持ち帰ると願い事が叶うと近所に広まる噂を教えてもらった。隅々まで土着の行事として地域に根付いていることが伺える。

ここまで地域に根付いているが、起源が未だに分かっていないスネカ。実際に現場で目の当たりにして、益々謎が深まったのと同時に興味がより一層増していった。

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