2020.05.25

ソ連の正教会に宇宙博物館、違和観視察記

ソビエトは言わずもがな反宗教的な体制を取ってきた国で、その一環に正教会の取り壊しがなされ、数千の正教会がソビエトから消え去った。

その中で、1891年に建てられたこの聖パラスケバ教会は取り壊しを免れ、1979年3月27日にキエフの南東約80キロに位置する小さな町ペレヤースラウフメリヌィーツィクィイで博物館としてオープンした。

様々な機関からの支援によって、宇宙船の原型又は模型や宇宙船の機器など、450点越の宇宙に関する品々が展示している。

宗教的にも正教会で宇宙に関する展示をすること自体、そもそも奇妙な光景であると言えるが、AFPによると博物館になったことで取り壊しを免れたと館長や司祭は語っている。それでも、この博物館の全盛期は既に終わり、内装が剥がれ落ち寂寥感とは正にこのことだろう。

この博物館は民族博物館群の一つとして佇立している。宇宙博物館の他にも、農業に関する博物館やウクライナの伝統衣装ソロチカにも使われる生地の博物館など、それは多岐にわたる。

hulu
いざ博物館へ

私が訪れたのは9月の末で、肌寒くどんよりとした雲が覆う如何にも雨が降りそうな日だった。首都キエフから車をチャーターし、ひたすら南下しながら田舎道を進んでいった。

着くや否や、小さな駐車場にドライバーを待たせ、エントランスで入場料と撮影料を支払い、敷地内に入っていった。

雨が降ってくる前に目的の宇宙博物館に訪れてしまおうと、マップを片手に一目散に向かった。

到着するとガイドらしきおばちゃんが入口に座っており、挨拶をすると入場料を支払うようにと言われ話を聞くと、どうやら敷地の入場料の他に、各博物館でさらに入場料がかかるらしい。一挙にまとめた方が色々と楽になるのにと思いながら支払い館内へと。

館内に入ると早速、人工衛星スプートニクのレプリカが頭上に見える。

館内の中心には地球の自転を演示するフーコーの振り子が展示している。

画像:Venus-7

手前にあるCCCPと書かれたものは、自動惑星間ステーション「Venus-7」である。

この球体はソユーズ宇宙船の軌道コンパートメントのモデルで、上部はソビエトの宇宙飛行士で1961年4月12日に世界で初めて有人宇宙飛行を成功させた英雄ガガーリンが訓練で実際に使用していた真紅のパラシュートである。

画像:宇宙食

画像:宇宙服

実際に訪れてみて、確かに人気のある博物館とは決して言えないほど殺伐としていた。創設から時間が経っていることもあるが、やはり展示している品々が年代を感じる物だった。しかし、私はこういった地元の人ですら訪れなさそうな博物館が何故だか好きで、その特別感は帰国した今も忘れられない。結果的に奇妙な光景が広がっていたため、訪れた甲斐があったと思える。

参考

AFP

オススメの記事

チェルノブイリ視察記

チェルノブイリのゴーストタウンへ

PAGE TOP