2020.07.23

鍾乳洞ならぬナパーム洞、露の要塞廃墟

前々からこの廃墟の情報については知っており、昨年9月地元のガイドさんにアポを取って、管理人はロシアの都市サンクトペテルブルクへと向かった。

まだ秋だというのに、ジャケットを羽織らなければならないほど、気温が低くおまけに連日雨という幸先が悪いスタートとなった。

現地に着いてから翌日、事前の連絡通りピックアップ場所に向かいそのまま港に向かった。というのも、目的の廃墟は沿岸に位置するため小型ボートで向かうことになる。

港に着くと、二人の男性がボートで待っており握手を交わした。早速、ライフジャケットを着用し丁度定員が3人ほどの小型ボートに乗り込み、波がまだ残った雨上がりの海に向かって出航した。波が多く、船酔いし兼ねないほど海面に打ち付けられながら進んでいった。

無事に目的地が見え、降場という降場がない場所に停車し、いざ要塞の中へと入っていった。

ズヴェレフ要塞

まるで無人島のように鬱蒼とした森林に囲まれたこの場所はズヴェレフ要塞と呼ばれている。

1870年代、技師のコンスタンティン・ズヴェレフによって建設されたこの建物は、レンガ造りになっており床はロシアで初めて建築材料として用いられたアスファルトが使用されている。また、20世紀初頭からはレンガ造りの建物は鉱山の倉庫と弾薬庫として改修され、第二次世界大戦後も実射の軍事訓練の拠点として利用されていた。

ところが、1970年代に数週間も続く大きな火災が発生した。それによって、地下に格納していたナパーム弾が次々に引火していき、レンガが熱によって溶け出し鍾乳洞のような様相になってしまった。

ナパーム弾とは、燃焼剤ナフサにナパームという粘剤を添加し用いられた油脂焼夷弾である。一度点火すると900度から1300度で燃焼し、その特性上消火をすることは極めて困難で、実際に朝鮮戦争で国連軍が使用したり、米軍はベトナム戦争で上空からジャングルに潜む敵兵目掛けて投下したりと、非常に恐ろしい爆弾として知られている。

茂みを抜けると廃墟になったレンガ造りの建物が見え、ガイドと共に中へ進んでいくと、目的の場所へと到着した。

参考

Atlas Obscura

Amusing Planet

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